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津山弁講座:えらい・えれー・えろう

標準語では「えらい」というと“偉い”ですよね。
「えらい目に合う」などの“とんでもない・普通じゃない”という意味でも使うことがあると思いますが、現在ではそのような使い方をすることは少ないようで、標準語で「えらい」と言えばイコール“偉い”ですよね。

ところが津山弁では「えらい」という言葉が複数の意味を持っていて、強調語としても使われるため日常会話の中で「えらい」が出てこないことが無いくらいに頻繁に使用されています。


津山弁で「えらい」の意味は以下のとおりです。

その1.偉い
そのまんま、標準語と同じ意味で使います。態度が偉そうなことを「えらっそう」と言います。
例)なんであいつあんなにえらっそするん?

その2.すごい、とても
強調語として他の言葉の頭に付けます。
例)えらい(えれー)大きい」など。

その3.しんどい、苦しい
病気でツライ状態やマラソンなどで疲れている状態。
例)「あー、えらい(えらぁー)」

津山弁には以上のように三種類の「えらい」があるわけですが、混乱したり意味を取り違えたりといったことはほぼありません。

「偉い人」なら「えれー人」、「偉くなる」なら「えろうなる」。
※エロくなるも「エロうなる」ですが、話の流れで意味を取り違えたりはしないでしょう、多分(笑)。

「しんどい、苦しい」という意味での「えらい」の場合、例えば単純に「えらいわぁー」とか「えらぁー」と言ったり、「ブチ(強調語)えらー」となります。
かなりシンドイ状況になると「えっらー」と跳ねて強調します。

また、「しんどくなる・苦しくなる」も「えろうなる」ですので、「偉くなる」と字ずらでは同じではありますが、通常は話の流れで「偉くなる」「エロくなる」と間違われることはありません。多分(笑笑)

「すごい、とても」といった強調語としての「えらい」は、使いどころが他とは違って言葉の頭につきますので問題ないでしょう。

例えば「すごく偉い」だと「えろーえれー」となりますよね。
この言葉だけを聞くと「すごく偉い」のか「とてもエロい」のか、はたまた「めちゃくちゃシンドイ」のか分かりませんが、何度も言うように話の流れをちゃんと把握していれば大丈夫だと思います。

ただし、誰かをどんな人か尋ねたときに「えろーえれー」なんて返されたら判別が出来ないので、どんなふうに「えれー」のかを聞いて判断するしかないでしょうね。
でも相手の表情を見ていれば「エロい」のか「偉い」のか聞くまでも無い場合もありますよ(笑)。

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津山弁講座 | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2014/06/14 23:10
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