fc2ブログ

被災男性、県担い手財団臨時職員に

3月11日の東日本大震災からもう4カ月が経ち、夏が来ようかとしています。

震災の影響は想像以上に大きく、福島第一原発問題は収束が見えてきませんし、夏場の電力不足への不安もあります。原発からの非難や震災で家を失ってしまったために家に戻ることができず、未だに避難所生活を強いられている方々はまだ大変多いと聞きます。充分な仮設住宅も無く、仕事も無い現状、政府の対応の遅さが非常に気になります。
現在の管内閣にも問題は多いと思いますし、それぞれの言い分もあるのはわかりますが、今だけは与党・野党が協力し合い被災された方々が少しでも早く“普通の生活”を取り戻すことができるよう、ベストを尽くしていただきたいものです。

そんな中、明るいニュースがありました。


仙台で被災の男性 岡山で生活再建 県担い手財団臨時職員に
 東日本大震災で仙台市の自宅が全壊し、岡山での就農を決意した石田豊さん(40)が4日、岡山県農林漁業担い手育成財団(岡山市北区内山下)の臨時職員として、生活再建の第一歩を踏み出した。
 勤務先となる県立青少年農林文化センター三徳園(同市東区竹原)で辞令交付式があり、財団の村上進通理事長が「一日も早く、農家としての独り立ちを目指してほしい」と激励。石田さんは「農業は素人だが、岡山に永住するつもりで頑張ります」と決意を述べた。
 石田さんは、両親との3人暮らし。両親は無事だったが、親族5人を失った。生活再建が見通せない中、財団の就農希望者受け入れを知り、応募した。

「山陽新聞」 仙台で被災の男性 岡山で生活再建 県担い手財団臨時職員に(2011/07/04)


※「岡山県農林漁業担い手育成財団」とは、岡山県の農林漁業の中核となり、農山漁村社会の建設の支えとなる自立自営の気概と実践力に富む若い担い手等を、計画的・永続的に確保・育成するとともに、農地保有合理化事業を行い、もって活力ある本県農林漁業の確立に寄与する法人です。
今回、石田さんが応募したのは、被災された方を対象にした緊急対策事業と思われます。5月末日までだった募集期間が7月末日に延期され、現在は4家族を受け入れることが出来るようです。年齢に55歳までの制限がありますが、石田さんのように岡山で新たな生活を始めてもいいと思われる方は応募されてみてはいかがでしょうか?
「岡山県での就農を希望される方の募集について」(PDF)

※「県立青少年農林文化センター三徳園」とは、岡山市にある小鳥の森に囲まれた農業公園です。園内には四季を彩る様々な植物があり、誰でも無料で入場、見学が可能です。また農産物の即売会や農業研修も行っています。
「県立青少年農林文化センター三徳園」


ひとことに「被災者」と言っても、それぞれが抱えている問題に違いがあるでしょう。地元を遠く離れた地で新たな生活基盤を持つということは半端ない決意が必要だと思います。しかし、いつまでも避難所生活を続けるわけにはいかないのですし、働かないことにはまともな収入を得ることができません。
この財団の“就農希望者受け入れ”の条件が石田さんにマッチしたからこそ実現できたわけですが、一人でもこのように先行きの見えない避難所生活を脱し、新たなる生活へ歩み始めたという話を聞くと「良かったなぁ」と思わずにはいられません。

石田さんのように新しい生活を始められた方はまだまだ極少数。
被災された方々が少しでも多く新しい生活基盤を整えるよう政府には全力を尽くしていただき、今から約半年後にはみんなが笑顔で新年を迎えることができるよう願うばかりです。

スポンサーサイト



ニュース | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2011/07/04 17:13
コメント:

管理者のみに表示