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岡山の著名人:【画家】国吉康雄

国吉康雄展岡山県出身の有名人は数多くいますが、著名な画家も少なくありません。
「竹下夢二」「雪舟」「児島虎次郎」などは絵画に興味をあまり持っていない人でも覚えのある画家です。しかし世界的な画家であるにも関わらず、日本国内はおろか岡山県内でも知名度が高くない画家に「国吉康雄」という人物がいます。

国吉康雄は岡山市出身の洋画家です。
1889年に17歳で単身渡米しアメリカを拠点として活躍。日米開戦後は友人たちの尽力によって強制収容所入りは免れるものの、敵国人としての苦境にあった彼は反戦を訴えたり反日ポスターの製作などを行っています。終戦後は赤を主調とした重々しい雰囲気の画風に転じており、仮面を付けた人物像など戦後の不安感を暗示していると言われています。
1952年に移民帰化法の成立によってようやくアメリカ市民権を持つ資格を得るものの、その手続きの途中の1953年に胃癌のために生涯を閉じました。

20世紀前半のアメリカを代表する画家のひとりとして世界的に評価されている彼の代表作には、「横たわる女」「誰かが私のポスターを破った」「牛のいる風景」「舞踏会へ」「祭りは終わった」などがあります。
また、日米交流150周年記念の切手に国吉作品の「カフェ」が採用されました。

そんな「国吉康雄」の生涯を、戦場カメラマン・一之瀬泰造を追った「地雷を踏んだらサヨウナラ」で知られる五十嵐匠監督が映画化する計画が進行中のようです。


国吉康雄の生涯を映画化へ 17日のシンポで支援呼び掛け

 米国で活躍した岡山市出身の洋画家国吉康雄(1889?1953年)の波乱の生涯を映画化する計画が進んでいる。企画するのは、人物をテーマに数々の映画を手掛けてきた五十嵐匠監督(52)=埼玉県在住。同市北区天神町、県立美術館の「福武コレクションによる国吉康雄展」に合わせ、17日に開かれるシンポジウムで支援を呼び掛ける。
 五十嵐監督は戦場カメラマン一ノ瀬泰造を追った「地雷を踏んだらサヨウナラ」、童謡詩人金子みすゞを描いた「みすゞ」など、実在の人物を深く掘り下げた人間ドラマで知られる。17歳で単身渡米、米国を代表する画家として成功し、太平洋戦争時に日米両国の間で揺れた国吉は、以前から気になる存在だったという。
 映画化のきっかけは今年初め、国吉作品の世界的コレクター福武總一郎ベネッセコーポレーション会長が県立美術館に寄託するコレクションを知り、感激したこと。同時に「世界的な画家なのに日本での知名度が低いことに驚いた。画業を顕彰し、岡山が生んだ画家として世界に発信し直すべき」と決心した。
 すでに建築家安藤忠雄氏、デザイナーのコシノジュンコ氏、水戸岡鋭治氏らの応援を得ており、今後、県や地元財界、国吉の生誕地・出石町の住民らに製作費やロケへの協力要請を重ね、岡山で製作委員会を立ち上げたい考え。完成は国吉没後60年に当たる2013年を目指す。

「山陽新聞」 国吉康雄の生涯を映画化へ 17日のシンポで支援呼び掛け(2011/07/13)


「カーテンを引く子供」上記記事内にありますように、岡山県立美術館に福武氏が国吉康雄の作品を寄託しているのですが、なんとその数は関連資料を含めて571点!それだけの物を集めるのにはいったいどのくらいの費用が掛かっているのかと考えてしまうのは無粋ですかね(苦笑)。

岡山県立美術館では『福武コレクションによる国吉康雄展』が、7月15日(金)から8月21日(日)まで催されます。油彩絵を中心に版画やドローイング、写真や関連資料なども観られるようです。

県立美術館のサイトでは一部の作品と共にその下絵も観られるのですが、この国富康雄展でも観られるのでしょうか?完成された作品も素晴らしいのですが、その下絵にも凄く興味を引かれるものがあります。
開催期間は1ヶ月以上あることですし、上手く時間を取ることができたなら是非とも行ってみたい作品展です。

「岡山県立美術館」 岡山県岡山市北区天神町8-48 【地図】
TEL 086-225-4800
一般350円(280円)/大学生250円(200円)/小中高生無料/65歳以上170円(140円)
※( )は20名以上の団体料金
開館時間:午前9時~17時(月曜日休館・休日の場合は翌日)

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著名人 | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2011/07/13 15:36
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