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津山弁講座:単語【お~】

【お】で始まる単語を例文とその翻訳、解説付きで紹介しています。

【おいい・おーいい】多い

例)「こっちのほうがおいいじゃろうが。」「いや、そっちのほうがおーいいけん。」
訳)「こっちのほうが多いでしょうが。」「いや、そっちのほうが多いよ。」

「遠い」も「といい」または「とーいい」と言います。
「おーいい」の様に本来は伸ばさない言葉を伸ばすのは、そのことを強調したいからです。
「赤い」を強調する場合は「あーかい」、「薄い」なら「うーしい」、「丸い」なら「まーりい」となります。
もっと強調したい場合は、頭に「ブチ」「どーらい(でーらい)」「えろぉ」などを付けます。
例)「ブチこーまいけん」
訳)「すごい小さいから」


【おえん】ダメ、いけない。「いけん」とも言う

例)「おえんおえん、そねーなん。」
訳)「ダメダメ、そんなの。」

「おえん」は非常によく使う単語です。
「ダメだろう」は「おえまー」、「ダメだわ」は「おえりゃーせん」、「ダメだってば」は「おえんっちゃ」です。
津山の人は単語ひとことだけで言いきって意思を伝える傾向があります。他の地域から来た人にはちょっとブッキラボウに感じられたり、物言いがきつく感じられたり、怒っているように感じられることもあるようです。
もちろん本当に怒っている場合もありますが、別にそんなことは無いことのほうが多いです。「おえんっ!」と言い切られてもヘコまずに会話を続けてみてください。


【おしこみ】押入れ

例)「お願いじゃけん今夜泊らせてんや。なんならおしこみでもええけん。」
訳)「お願いだから今夜泊らせてくれよ。なんだったら押入れでもいいから。」

子供の頃、『押し込み強盗』と聞いて、「おしこみやこう強盗してどねーするんじゃろ?(押入れなんか強盗してどうするつもりなんだろう?)」とか、勘違いしてた覚えがあります(苦笑)。
※『押し込み強盗』とは、他人の家に無理やり押し入って金品を強奪する事を言います。


【おる】居る

例)「おばちゃん、シンちゃんおるん?」「おらんでぇ。ヤマちゃんとこ遊びぃー行っとるで。」
訳)「おばちゃん、シンちゃん居る?」「いないわよ。ヤマちゃんのとこに遊びに行ってるわよ。」

標準語では使われなくなった古い言葉が田舎で未だに生き残って方言となっているパターンですね。
「いない」は「おらん」、「いるでしょう」は「おろう」、「いなさい」は「おりんちぇえ」もしくは「おりんせえ」、「いやしない」は「おりゃーせん」となります。
文字で書けば「折る」と同じですが、「折る」は“お”にアクセントが来るのに対して、「居る(おる)」は“る”にアクセントがきますし、話の流れで意味を取り違えるようなケースはほとんどありえないでしょうね。


【おんびん・おんびんたれ】臆病・臆病者

例)「え、電気消してよー寝んのん?えらいおんびんたれじゃなー。」
訳)「え、電灯消して寝られないの?すごい臆病者だなぁ。」

一般的に「穏便」といえば、“物事をかどをたてずに穏やかに行うこと”をいいますね。
おそらくですが、そのことから穏便な行為=勇気が無い=臆病となり、臆病なことを「おんびん」と言うようになり、臆病者を「おんびんたれ」というようになったのではないでしょうか?


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津山弁講座 | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2011/07/14 17:30
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