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古民家の魅力

古民家。
“田舎暮らし”で一番に連想されるモノの代表ですね。なぜ古民家は人々の心をひきつけるのでしょう?
どのような家を「古民家」と言うのでしょうか?
みささん大体のイメージはできていると思いますが、あえて具体的に考えてみれば、その魅力がわかるかもしれません。

古民家とは、築後何年以上とかを定義することはありませんが、戦前、主に大正以前の釘などを多用しない伝統的日本建築方法によって建てられ、建築後数十年以上を経過した建物です。家を構成している材料は主に木材・土・紙・草で、基本的に自然素材で出来ています。

家の骨組みとなる柱・梁・根太などは木材を使用していますが、一般的に腐食しやすい個所には桧(ヒノキ)・欅(ケヤキ)・栗などを使い、屋根の負荷を受け止める梁には強度の高い松を、普段目にする内装部分には木目が美しい杉や湿度調整効果がある木材を使用するなど、適材適所を考えて構成されています。
また、木材は年月を経れば経るほどに乾燥し、堅固になって長持ちするようになります。建築後百年以上の古民家の木材は、傷みが進んで大掛かりなリフォームが必要な場合でも、梁柱などの骨組みはそのまま利用可能であったり、解体後、建材として再利用されることも珍しくありません。

土壁は柱と柱、貫と貫の間に竹を細かい格子状に編んだ上に、藁(ワラ)・水を含んでドロドロの土を塗り、乾燥後に重ね塗りをしていきます。漆喰を塗って上品に仕上げることもあります。燃えやすい自然素材の中で土壁は耐火性があるだけでなく、保温性、耐震性の面でも魅力的です。
土壁の種類には地域や職人さん等により多種多様あり、その家の個性のひとつにもなります。

屋根は茅葺・草葺・瓦葺が主ですが、茅葺・草葺屋根はトタンを被せたトタン屋根が近年ではほとんどです。茅葺・草葺屋は定期的に葺替えが必要で結構な費用が掛かること、材料である茅の減少、防火面、屋根職人の減少などが理由で、耐久性・耐火性に優れているトタンを被せるようになりました。最近は一見瓦屋根風のモノもあるようです。
草で出来た屋根のいいところは、湿度調整・温度調整に優れていることでしょう。また、吸音効果が優れているので「音響効果がいい屋根」として音楽愛好家から好まれているそうです。

畳は日本人の家には欠かせません。
畳は断熱効果や吸湿性に優れているほか、抗菌性や二酸化窒素を吸収するという空気浄化効果もあります。防音性・吸音性も高く、草ではありますが意外と燃えにくいという一面もあります。
いろんな特徴を持った畳ですが、何よりあの肌触りと程良い弾力は西洋の家には無い、優しく人を包み込む日本の家の大切な要素でしょう。

古い家には建築当時の職人さんの手仕事が見て取れることがあります。ホゾや仕口などの職人の技、欄間や仕上げなどの手仕事に惚れ惚れしたり、その時代の流行り・地域・職人個人の個性が窺われたり。

上記の自然素材の魅力や職人技は新築の家でも同じではありますが、古民家にしか無い魅力。永い年月を生き抜いてきたことにより独特の風格を持つ色味。囲炉裏で燻され、黒光りする梁・柱は新しいものには無い趣きがあります。

都会の中にあっても古民家は古民家ではありますが、その佇まいはやはり自然豊かなのどかな田舎風景こそ似合うモノ。風景の一部として溶け込み、見た目にも温かさを感じ、その室内は人の心をホッと落ち着かせる古民家。人々が魅了されるのも当然とも思えますね。

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不動産豆知識 | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2011/03/28 14:20
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