柿が赤くなれば医者が…

しかし、誰が最初に考えたんでしょうか。渋くてとてもそのまんまでは食べられたものではない渋柿を天日で干せば、甘くなるだけで無く保存も利くようになるなんて。
柿の木は家の敷地内、畑の脇、山の裾、川べり…いろんなところに生えています(植えられている?)。
子供の頃は、外で遊んでいてお腹が減ったら木に登って柿をオヤツにしていたものです。
そんな田舎の秋の風物詩、柿の実が葉の落ちて裸になった樹に赤く色づいている光景は、日本中どこの田舎でも普通に観かけることができます。

渋みの原因は“タンニン”という成分なのですが、渋くない甘柿にもタンニンは含まれています。
タンニンには、口の中で溶ける「可溶性」と溶けない「不溶性」の2タイプがあり、可溶性のタンニンだと渋く感じ、不溶性だと渋みを感じないんですね。
柿がまだ育っていない状態では甘柿も可溶性のタンニンなのですが、成長する途中で不溶性のタンニンに変化していき渋みを感じなくなるのだそうです。可溶性のタンニンは炭酸ガスやアルコールで処理することで不溶性に変化させることが出来ます。
タンニンには活性酸素の発生を抑える抗酸化作用や、癌の発生を抑える効果、血圧の上昇を抑える効果などの効能がある一方で、鉄分の吸収を妨げる作用があるので低血圧の人は採りすぎには注意しましょう。
また、柿に含まれているタンニンには強いタンパク質擬固作用があることから、防腐剤や清酒清澄剤などに使われているそうです。
柿にはタンニン意外にも豊富な栄養素が含まれています。
中でもビタミンCは、日常的に食べる食品の中でもトップレベルを誇り、他にβカロチンやビタミンB1・B2・K、ミネラルを含んでおり、「柿が赤くなれば医者が青くなる」と言われるほど健康食品として優れています。
またビタミンCやタンニンが体内のアルコール分を排出、カリウムの利尿効果も相まって「二日酔いには柿」と言われる由縁となっています。

柿は収穫した後、だいたい二日くらいで柔らかくなってしまいます。あのパリッとした歯ごたえを愉しむためにも早めに食べたほうが良いでしょう。冷蔵庫の野菜室で保存すると1週間くらいなら美味しく食べることが出来ますよ。
日本人にとって柿はすごく身近な果物です。
俳句・早口言葉・諺・名字…様々なものに柿は登場しますが、地名に“柿”が含まれているところも少なくありません。
岡山県だと総社市の清音柿木(きよねかきのき)、高梁市の柿木町(かきのきちょう)、美作市の柿ケ原(かきがはら)、そして奈義町にはそのものズバリの柿(かき)という地名があります。
ここであげたのは、郵便を送る際に必要な大字。小字まで調べてみるともっとあるかもしれませんね。
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