スペースデブリと岡山県

大気圏に突入して燃え尽きなかった「UARS」の破片が地上の誰かに当たる可能性もある(1/3200)と報道されてちょっとした騒ぎになりましたよね。
結果はご存知の通り、破片は誰に当たることも無く海に落下したようで良かったのですが、もしも人に当たらなくてもどこかの都市などの生活圏内に落下したらと考えると恐ろしいことです。
何事も無かったので多くの人は既にこのことを忘れかけていたところでしょうが、また宇宙からの落し物ニュースが入ってきました。
今回はドイツの人工衛星「ROSAT」だそうで、大気圏に突入し燃え残った残骸が落下するのが10/22~23日と予想されています。
この衛星の重量は2.4t余り(先日の「UARS」は約6t)、30個ほどの破片となって地上に降り注ぐそうですが、その総重量は最大で1.7tと予想されています。
気になる“地上の誰かにぶつかる確率”は1/2000と言われており、「UARS」の1/3200よりも確率が高くなっています。今回のほうが確率が高いのはおそらく衛星軌道の違いのためでしょう。
この1/2000というのは、“二千人のうち一人にぶつかる”という確率なのではなく、“地上にいる全人類70億人弱のうち誰かひとりにぶつかる”確率です。これをアナタ自信にぶつかる確率に換算すると、1/26,000,000,000,000(約26兆分の1)となり、それほど心配することもなさそうな気もしますが、確率は0でありませんので一応気に留めておいたほうがいいでしょうね。
そもそも人工衛星の落下が今回の二回だけで今後はもうないのなら気も楽ですが、そうではありません。
世界各国からトータル4000回を超える回数の打ち上げがおこなわれ、その数倍に及ぶスペースデブリが発生していて、現在3,500個以上の人工衛星が地球の衛星軌道上を周回しているそうです。
小さなデブリは大気圏突入で燃え尽きますが、今回の使用済み衛星のように巨大なものは燃え尽きることなく地上へ落下します。使用済みとなった衛星の大気圏突入は今回だけのことでは無く、むしろこれから増加するでしょう。
今回の人工衛星の大気圏突入で話題となったスペースデブリですが、実はかなり以前から問題視されていた事柄です。
衛星軌道上では無数とも言える数の大小のスペースデブリが周回しています。
このデブリが現在利用中の人工衛星・有人宇宙船・国際宇宙ステーションにぶつかって設備が破壊されたり、乗員の生命の危機にも関わる問題として懸念されてきました。
直径1cmに満たないサイズのデブリでも、ぶつかった時の衝撃は大砲を撃ち込まれるのと同等、10cmほどになれば衝突された衛星や宇宙船は完全に破壊されてしまうそうです。
そのためデブリの衝突を防ぐ目的で、「スペースガード」と呼ばれるデブリを観測する活動が始められました。
北アメリカの「SSN」・ロシアの「SSS」などが10cm以上のデブリを登録して常に監視しているそうですが、日本にも「日本スペースガード協会」という組織があり、2カ所で同様にデブリの監視がされています。
岡山県苫田郡鏡野町の上斎原にある施設ではレーダーによる自動監視が、岡山県井原市の美星町では光学観測が行われています。
二つとも岡山県なのは何か理由があるんでしょうか?
ドイツの衛星 週末にも落下か
12年前に運用を終えたドイツの人工衛星が、22日から23日の間に大気圏に突入し、燃え残った一部が地上に落下する可能性があり、文部科学省などが日本への落下の可能性について情報を分析しています。
この衛星は、ドイツが平成2年に打ち上げ、12年前の平成11年に運用を停止したX線観測衛星で、徐々に高度を下げながら地球の周りを回っていましたが、今月中に大気圏に突入する見通しになりました。ドイツ航空宇宙センターによりますと、この衛星は重さが2.4トン余りあり、大気圏に突入した際、耐熱性が高い望遠鏡のミラーなどが燃え尽きずに残り、最大で1.7トンの残がいが30個に分かれて地上に落下する可能性があるということです。地上に落下する時刻や場所などの正確な予測は難しく、最新の予測では、22日から23日の間とされています。宇宙ゴミの監視をしているアメリカの機関の情報を基に衛星の軌道を公開している民間のホームページによりますと、この2日間に日本の上空を衛星が通過するのは少なくとも4回とみられます。破片が落下して地上の人に当たる確率は2000分の1、2000回の落下のうちの1回に1人に当たるという意味で、先月落下したアメリカの衛星の3200分の1よりも高くなっています。宇宙ゴミに詳しい宇宙航空研究開発機構の木部勢至朗さんは「地上の特定の誰かに当たる確率に直すと26兆分の1で、リスクは十分に小さいといえ、あまり不安を抱く必要はない」と話しています。文部科学省は、最新の衛星の落下状況などの情報をホームページやフェイスブックで公開するとともに、ドイツの情報などを基に日本への落下の可能性について分析しています。
この人工衛星に関連し、岡山県鏡野町の観測施設では、日本への落下の可能性についてレーダーによる監視が続けられています。観測が行われているのは、鏡野町上斎原にある民間の観測施設「上斎原スペースガードセンター」です。この施設は、人工衛星やロケットの破片など宇宙に漂うごみをレーダーで観測している日本で唯一の無人観測施設で、直径12メートルのドームの中にあるレーダーで日本列島の上空600キロにある1メートル以上の大きさの物体の軌道が観測されています。施設では、現在、問題の人工衛星の観測が続けられ、記録したデータは宇宙航空研究開発機構に送られているということです。そして、人工衛星の一部が落下する可能性があるとされる22日から23日にかけては、念のため、レーダーなどの機械に不具合が出てもすぐに対処できるよう2人の技術者が常駐するということです。観測を行っている財団法人「日本宇宙フォーラム」の青木定生さんは「今回は人に落ちる可能性もあるので、しっかり観測していきたい」と話していました。
「NHKニュース」 ドイツの衛星 週末にも落下か(2011/10/21)
「日本スペースガード協会」
世界各国からトータル4000回を超える回数の打ち上げがおこなわれ、その数倍に及ぶスペースデブリが発生していて、現在3,500個以上の人工衛星が地球の衛星軌道上を周回しているそうです。
小さなデブリは大気圏突入で燃え尽きますが、今回の使用済み衛星のように巨大なものは燃え尽きることなく地上へ落下します。使用済みとなった衛星の大気圏突入は今回だけのことでは無く、むしろこれから増加するでしょう。
今回の人工衛星の大気圏突入で話題となったスペースデブリですが、実はかなり以前から問題視されていた事柄です。
衛星軌道上では無数とも言える数の大小のスペースデブリが周回しています。
このデブリが現在利用中の人工衛星・有人宇宙船・国際宇宙ステーションにぶつかって設備が破壊されたり、乗員の生命の危機にも関わる問題として懸念されてきました。
直径1cmに満たないサイズのデブリでも、ぶつかった時の衝撃は大砲を撃ち込まれるのと同等、10cmほどになれば衝突された衛星や宇宙船は完全に破壊されてしまうそうです。
そのためデブリの衝突を防ぐ目的で、「スペースガード」と呼ばれるデブリを観測する活動が始められました。
北アメリカの「SSN」・ロシアの「SSS」などが10cm以上のデブリを登録して常に監視しているそうですが、日本にも「日本スペースガード協会」という組織があり、2カ所で同様にデブリの監視がされています。
岡山県苫田郡鏡野町の上斎原にある施設ではレーダーによる自動監視が、岡山県井原市の美星町では光学観測が行われています。
二つとも岡山県なのは何か理由があるんでしょうか?
ドイツの衛星 週末にも落下か
12年前に運用を終えたドイツの人工衛星が、22日から23日の間に大気圏に突入し、燃え残った一部が地上に落下する可能性があり、文部科学省などが日本への落下の可能性について情報を分析しています。
この衛星は、ドイツが平成2年に打ち上げ、12年前の平成11年に運用を停止したX線観測衛星で、徐々に高度を下げながら地球の周りを回っていましたが、今月中に大気圏に突入する見通しになりました。ドイツ航空宇宙センターによりますと、この衛星は重さが2.4トン余りあり、大気圏に突入した際、耐熱性が高い望遠鏡のミラーなどが燃え尽きずに残り、最大で1.7トンの残がいが30個に分かれて地上に落下する可能性があるということです。地上に落下する時刻や場所などの正確な予測は難しく、最新の予測では、22日から23日の間とされています。宇宙ゴミの監視をしているアメリカの機関の情報を基に衛星の軌道を公開している民間のホームページによりますと、この2日間に日本の上空を衛星が通過するのは少なくとも4回とみられます。破片が落下して地上の人に当たる確率は2000分の1、2000回の落下のうちの1回に1人に当たるという意味で、先月落下したアメリカの衛星の3200分の1よりも高くなっています。宇宙ゴミに詳しい宇宙航空研究開発機構の木部勢至朗さんは「地上の特定の誰かに当たる確率に直すと26兆分の1で、リスクは十分に小さいといえ、あまり不安を抱く必要はない」と話しています。文部科学省は、最新の衛星の落下状況などの情報をホームページやフェイスブックで公開するとともに、ドイツの情報などを基に日本への落下の可能性について分析しています。
この人工衛星に関連し、岡山県鏡野町の観測施設では、日本への落下の可能性についてレーダーによる監視が続けられています。観測が行われているのは、鏡野町上斎原にある民間の観測施設「上斎原スペースガードセンター」です。この施設は、人工衛星やロケットの破片など宇宙に漂うごみをレーダーで観測している日本で唯一の無人観測施設で、直径12メートルのドームの中にあるレーダーで日本列島の上空600キロにある1メートル以上の大きさの物体の軌道が観測されています。施設では、現在、問題の人工衛星の観測が続けられ、記録したデータは宇宙航空研究開発機構に送られているということです。そして、人工衛星の一部が落下する可能性があるとされる22日から23日にかけては、念のため、レーダーなどの機械に不具合が出てもすぐに対処できるよう2人の技術者が常駐するということです。観測を行っている財団法人「日本宇宙フォーラム」の青木定生さんは「今回は人に落ちる可能性もあるので、しっかり観測していきたい」と話していました。
「NHKニュース」 ドイツの衛星 週末にも落下か(2011/10/21)
「日本スペースガード協会」
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