カリッとモッチリと落合羊羹

真庭市では地域の“自慢”や“誇り”になるような優れた産品を『真庭ブランド』として認定し、市の公式サイトをはじめとしてアチコチで広報活動をしていますが、この落合羊羹も昔ながらの味と歴史を伝える銘菓としてブランド認定されています。
この羊羹の特徴は表面が白く糖化して固くなっていてカリッ、でも中身は羊羹のモッチリ柔らかな食感だということ。
作りたての羊羹はまだ表面が糖化しておらず普通の羊羹とあまり変わりませんが、買ってすぐに食べずに置いておくと段々と糖化が進んで独特の食感を愉しめるようになります。わざと数日おいてから食べるのが落合羊羹の正しい(?)食べ方です。
もうひとつの特徴が高瀬舟を形どった容器に一口サイズの羊羹が入っていること。
他にも短冊状に切られた物や大きな塊でも販売されていますが、落合羊羹と言えば高瀬舟の容器に入ったモノをイメージするのが普通です。でもなぜ高瀬舟の形なんでしょう?

その地域の繁栄に貢献していた高瀬舟をモチーフに「古見屋羊羹」で一口サイズの羊羹が作られたのが発祥と言われています。
現在、高瀬舟型の落合羊羹は複数の店舗で製造販売されていますが「高瀬舟羊羹」と名乗っているのは古見屋の商品だけです。
地元産の良質な小豆と上質な水に砂糖と少量の寒天を加えて作られてきた落合羊羹ですが、最近は地元産の小豆が上質過ぎて値段が高騰して手頃価格での羊羹が作りづらくなり、代わりになるものとして質が良く安価な北海道産のものをチョイスして品質を落とさず価格を維持しているのだとか。
ちなみに古見屋の羊羹は明治天皇や昭和天皇にも献上されたことがあり、そのことからも品質の良さを窺うことができますね。
ところで落合羊羹に関するニュースがありました。
特産の落合羊羹、非常食に変身?
■真庭高生徒が研究発表
真庭市落合の特産品、落合羊羹(よう・かん)が災害時の非常食として活用できる!?
県立真庭高校(真庭市落合垂水)の1年生が取り組んだ、そんな研究成果が6日、発表された。
総合学習の一環で、1年生が「東日本大震災と真庭」のテーマでグループごとに研究した。
生徒らは、賞味期限が夏で3カ月、冬で6カ月と長いことに着目。羊羹屋さんから聞き取り調査した。
「火を使わず、持ち運びに便利で栄養価も高い」など非常食の条件は満たしているとしつつ、栄養価を高めるためにはフルーツなどを加えるのが効果的と結論。「非常食としての可能性は十分にある」としている。
研究に参加した林愛美(まな・み)さん(16)=写真=は「糖分が多いわりにあっさりしていて、腹もちもいいので向いているのでは」と話す。
発表を聞いた岡山大大学院の住野好久教授は「視点はおもしろい。社会への一つの提案として受け止めていいし、具体的な商品開発に結びつけられれば」と話した。
「朝日新聞」 特産の落合羊羹、非常食に変身?(2012/02/07)
こういう観点で地元の銘菓に注目するとは最近の学生も侮れませんね!
地震・津波などの災害はほとんどなく台風の直撃も多くない岡山県民は、自然災害に対しての危機感が他の地域と比べてかなり低く、災害対策をしている人が少ない印象があります。
今まではのほほんと暮らしてきた岡山県民も、昨年の東日本大震災で多少は自然災害を意識するようにはなったと思いますが、頭が硬くなった大人には簡単ではない柔軟なこの発想は若者ならではのモノでしょうか。
これが発想だけに終わることなく、大人達も巻き込んでプロジェクトのようになって行けば地域貢献にもなります。まわりの大人のみなさんも「ふぅーん、面白いね」と思うだけじゃなく協力の手を差し伸べてあげて欲しいですね。
「古見屋羊羹」
岡山県真庭市落合垂水199 【地図】
TEL:0867-52-0005
休日:毎週日曜日
「西口屋本店」
岡山県真庭市落合垂水93 【地図】
TEL:0867-52-0065
「(有)梅田屋羊羹店」
岡山県真庭市落合垂水183 【地図】
TEL:0867-52-0042
「加藤商店」
岡山県真庭市落合垂水47 【地図】
TEL:0867-52-0144
「(有)おちあい羊羹」
岡山県真庭市栗原1628-4 【地図】
TEL:0867-54-0832
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