JR姫新線 美作千代駅

兵庫県の姫路駅から津山駅を経由して新見駅までをつなぐJR西日本の姫新線(きしんせん)。
姫新線には全部で37の駅が有りますが、その中でも最古の駅舎があるのが「美作千代駅(みまさかせんだいえき)」です。
この駅が作られたのは1923年(大正12年)で、作備線が津山-美作追分間で開業と同時に造られました。
後に作備線が姫新線の一部となるに伴って、美作千代駅もその所属となっています。

窓のサッシや鉄パイプ製の改札など、いくらかの近代的な改装がなされているもののほとんどが開業当時と変わらぬ状態で現存。切妻屋根の庇を持つ玄関、木造下見板貼、内装は漆喰で仕上げてあるなど、建築当時の典型的な地方駅の特徴がそのまま残っています。
ちなみに駅前のロータリーの街灯がすえられた木製の電柱や玄関横の赤い円筒状の郵便ポストは、歴史あるこの駅の雰囲気に合わせて割と最近になってから設置されたようです。


玄関上に設置された駅名看板。木製で趣がありますが比較的新しく見えます。これも古い駅舎に似合うように近年になってから据えられたのでしょう。“美作”が省略されて“千代駅”となっています。
駅前ロータリーの木製の電柱…というよりも街灯用の柱といった方が正しいですね。


駅舎内は漆喰壁と腰板が開業当時の雰囲気を残しています。木製のベンチに座布団が敷かれているのがいいですね。
この駅は現在無人駅となっていますが、かつては駅員さんが常駐していました。
窓から駅務室がのぞいてみると、木製の机と椅子とダルマストーブが。ここだけ昭和中期以前のまま時の流れが止まってしまったかのようです。

プラットホームに出てみました。
現在はご覧の通り1面1線の単式ホームなのですが、かつては相対式2面2線でした。
撤去された線路が有ったところは花や木々が植えられています。


かつて線路が有ったところに咲くアヤメ。誰が手入れしているんでしょうか?
写真を撮影中に津山方面から列車がやってきました。

年々利用者が減少している美作千代駅の利用者。この時乗車したのは昔のお嬢さんがひとり、降りてきたのがふたりです。
この駅が有るのは、周辺には商業施設・公共施設もほとんど無い田舎の集落の中です。少し離れたところに旧久米町の役場と郵便局があるくらいなので通勤通学の時間帯以外は利用者が少ないのは致し方なしですね。
古い建物なので今後も修繕が必要になることも有るでしょうが、できるだけ近代的な改装はしないでこの趣ある建物の状態を維持してもらいたいものです。
「JR姫新線 美作千代駅」
岡山県津山市領家 【地図】
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ここにSLが蒸気をはいて停車していれば最高です。
懐古趣味かな?。
そうですよね!
何かイベントでもない限り、SLが停車している情景はもう見ることはできないですが、この駅のホーム側の駅舎の窓にSLが走っていた当時の写真が飾られていました。
もしも県北に来られるようなことがあれば、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。