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バイオマスタウン 真庭

バイオマスとは、“生物・生命(Bio)”の“固まり・集合体(Mass)”という意味です。
光合成によって作られる生物由来の資源を指し、生態系を形作る有機物のすべてが対象となります。

現在社会で主流の石油などの化石資源には限りがあり、使い続けるといつかは無くなってしまいます。
それに対してバイオマスは太陽・水・植物・炭酸ガスがあれば永久的に作り続けることが出来るエネルギー源なんですね。


バイオマスには3タイプがあります。

●資源作物(トウモロコシ・藻・サトウキビなど)
●未利用バイオマス(間伐材・稲藁・絞りカスなど)
●廃棄系バイオマス(生ゴミ・食用油の廃油・家畜のし尿・選定された枝・材木から剥いだ皮など)

これらを燃焼させたり、発酵させてメタンガスを得たり、エタノールを生成したりしてエネルギー源とするわけです。


真庭市は古くから「美作材(みまさかざい)」の産地として知られてきた林業が盛んなところで、製材所の数も全国レベルで見ても多く、かつてより木質系資源活用産業クラスターの形成を目指してきました。
そしてより一層の利活用促進を図るために「バイオマスタウン構想」を立案。
地域のバイオマス資源の総合的な活用の推進と安定したバイオマスの活用を定める「バイオマス利活用計画」を策定・実施しています。

現在、真庭市では様々なバイオマス製品(ペレット、猫砂、BDF、木片コンクリート、木質バイオエタノール、木片プラスチックなど)を開発、製品化。木質バイオマス発電の開始。真庭市バイオマスラボを開所。シンポジウムの開催。バイオマスに取り組む事業所を見学してまわる「バイオマスツアー」の実施などをおこなっていて、これらの取組みが評価され、国からも正式にバイオマスタウンと認定されています。

バイオマス発電はすでに行っている真庭市ですが、もっと大規模な国内最大級のバイオマス発電所を造る計画が進行中との報道がありました。


真庭にバイオマス発電所 銘建工業、15年稼働目指す

 集成材メーカーの銘建工業(真庭市勝山)は、同市や真庭森林組合などと協力し、山林に放置された間伐材など「未利用材」を主な燃料としたバイオマス発電所を同市目木地区に建設する。出力は1万キロワットで一般家庭約2万戸の電力を賄える規模。2015年4月の稼働を目指す。29日に関係団体による推進協議会を設立する。

 同社によると、未利用材を主燃料とするバイオマス発電所としては国内最大級。建設予定地は県真庭産業団地の約1ヘクタール。24時間稼働でき、年間発電量は7万9200メガワット時で電力はすべて電力会社に売却する方針。秋にも同社などが出資する運営会社を設立。市も出資を検討する。事業費は約37億円で、国からの林業振興関係の補助金なども想定。来年春の着工を目指す。

 発電に必要な木材燃料は年間約10万〜15万トンと試算。このうち間伐材や伐採木の先端部分などの未利用材が年間約8万トン、製材所から出る木くずなどを約4万トンと見込み、いずれも買い取る。

山陽新聞 真庭にバイオマス発電所 銘建工業、15年稼働目指す(2012/08/24)


本来ならば捨てられたり焼却処分されるものが、 “電気の元”として再利用されるのは素晴らしいことです。
しかも燃料となる木くずや間伐材などを発電所に持ち込むことでお金になるわけですから、協力する林業関係業者は少なくないはずですよね。
既にバイオマス発電を行っている実績のある会社ですので、きっと成功出来ることでしょう。

現在、脱・原発のために石油を燃料とした火力発電所がフル稼働に近い状態だと思いますが、このバイオマス発電所が大成功すれば、全国の林業が盛んな地域でも同様の発電所が増えていくことでしょう。
メガソーラー(太陽光発電)とバイオマス発電の二本柱で、原子力や化石燃料に頼らない時代が早期に訪れてくれることを祈るばかりです。

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○○ってどんなところ? | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2012/08/28 21:56
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