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キウイの原種:サルナシ

昨日の山陽新聞に“サルナシ”の収穫が新庄村で始まったという記事が掲載されていました。
“サルナシ”この植物はマタタビ科マタタビ属の落葉性ツル植物で、近縁種には「マタタビ」や「シナサルナシ」などがあります。

この植物が付ける小さな果実はコクワとかミニキウイとも呼ばれることがあるのですが、サルナシの近縁種「シナサルナシ」を品種改良して造られたのが、みなさんご存知のキウイフルーツ。
そんなわけでサルナシの実の味はキウイフルーツにとてもよく似て美味しく、果実酒・ジュース・ジャムなどの加工品が造られています。

また、生食にも適していて自生している野生のサルナシは、山の中で暮らすニホンザルや熊サンたちの大好物で、猿がこれを食べ始めたら止まらなくなることから“猿梨(サルナシ)”という名前がつけられたのだとか。

野生動物だけでなく人間も美味しく食べられるのですが、栽培が非常に困難で収穫も天候に大きく影響を受けやすいため、これを栽培している農家は非常に少ないそうです。


サルナシ収穫始まる 新庄 天候恵まれ糖度十分

 県内唯一のサルナシ産地・新庄村で収穫が始まり、農家が薄い緑色をした直径2〜3センチの実の摘み取りや選別に追われている。

 サルナシはキウイの原種とされ、村に自生地があったことから2002年以降は転作作物として栽培。現在12戸が約1ヘクタールに作付けしており、19日に初収穫した。天候不順で不作だった昨年より50%増の約500キロの出荷を見込んでいる。

 約3アールで栽培する岩佐重五郎さん(86)方では朝から、約1・5メートルの高さに茂った葉をかき分けて丁寧に実を摘み、自宅で大きさ別に分けていった。「天候に恵まれて糖度は十分」と岩佐さん。

 収穫した実の約9割は、ひるぜんワイン(真庭市蒜山上福田)や村内の加工グループがジャムなどに加工するほか、一部は生食用として道の駅メルヘンの里新庄で10月上旬まで販売する。

山陽新聞 サルナシ収穫始まる 新庄 天候恵まれ糖度十分(2012/09/21)

正直、今回のこの山陽新聞の記事を読むまで“サルナシ”という植物を知らず、ネットで調べてみたところ更に興味深い情報が見つかりました。

サルナシにはビタミンCが豊富に含まれている他、滋養強壮効果もあるとされていましたが、新庄村から依頼を受けた「岡山大大学院医歯薬学総合研究科」の研究によって、サルナシに皮膚がんの抑制効果があることを確認。
“発がん抑制剤”として特許申請されたのだそうです。

この研究は、20匹のマウスに誘発物質と発がん促進物質を塗布、そして半数にはサルナシ果汁の濃縮液を塗り20週間観察したところ、サルナシ果汁を塗布したグループの5匹が皮膚がんを発症しなかったそうです。
それ以外にも、「炎症の予防効果」「遺伝子に悪影響を与える作用を抑える効果」「老化の原因とされる遺伝子の酸化を防ぐ抗酸化性作用」などもみられ、期待した以上の研究成果だそうです。

この研究結果を受けた新庄村は、今後はサルナシの生産者を拡大して、特産の「ヒメノモチ」に次ぐ新たな特産品に育て上げたいとのことです。

詳しくは下のリンクからどうぞ。

山陽新聞 岡山医療ガイド サルナシに皮膚がん抑制効果 岡山大大学院・有元准教授が確認

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特産品 | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2012/09/22 23:28
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