岡山県の著名人:【映画評論家】水野晴郎

しかし家庭用ビデオが普及するまでは、映画館以外での映画鑑賞手段といえばTVのロードショー枠での放送しかありませんでした。
そして今は無くなってしまいましたが、TVの映画放送と言えば欠かせないのが映画解説者でしたよね。
テレビ朝日系列「日曜洋画劇場」の淀川長治(よどがわながはる)さん、TBS系列「月曜ロードショー」の荻昌弘(おぎまさひろ)さん、そして日本テレビ系列「水曜ロードショー(後に金曜ロードショー)」の水野晴郎(みずのはるお)さんの三名は、お茶の間で映画を観賞する際に欠かせない名映画解説者で、それぞれ違う個性があって人気者でした。
水野晴郎さんは岡山県高梁市の出身で、本名は水野和夫(みずのかずお)です。
大学卒業後は郵便局に就職(この時、あの紙幣捌きの名人技を習得)、やがて映画の魅力に魅かれて上京、あの淀川長治さんの「映画の友」友の会に参加しています。
20世紀フォックス映画の映画宣伝部に勤めていましたが、日本ユナイテッドに引き抜かれて宣伝総支配人に抜擢されました。
※ユナイテッド在籍時には数々の洋画の邦題を考案、ジェームスボンドのイメージに合わせてわざと誤字を使った『007/危機一発』も水野さんが考案したのだそうです。
1972年にユナイテッドを退社して独立する以前から数々の映画雑誌に映画評を執筆、独立後は執筆活動の他にTVの映画解説の仕事もするようになりました。
映画評論家が本業で、その仕事の一環として映画解説をしていた水野さんですが、その独特のキャラクターが受けてTVタレントや俳優としても活躍、映画『シベリア超特急』シリーズの監督もされています。
水野さんといえば、クルーカットにチョビ髭と福耳、暖かな人柄がにじみ出ている穏やかな語り口調に、締め台詞の「いやぁ、映画って本当にいいもんですねぇ~」ですよね。
「いやぁ、映画って本当に…」は、TVの映画解説を始めた当初からあったものではなく、あの名作西部劇『シェーン』の解説をした際に、最後に少しだけ時間が余ってしまったのでディレクターから何か一言付け加えて欲しいと言われてとっさに出てきた言葉なんだそうで、それがオキマリの締め言葉として定着したんだそうです。
ところで「いやぁ、映画って本当に…」には数種類のパターン有ったのはご存知でしょうか?
「いやぁ、映画って本当にいいもんですねぇ~」の他に、「素晴らしいもんですねぇ~」「楽しいもんですねぇ~」「面白いもんですねぇ~」などがあったんだそうですが、気付いてました?
そして実はコレ、使い分けていたのには意味があって、作品の評価によって言い換えていたんですっ!
いやぁ~、面白いですねぇ~。
どの言い方がいい評価で、どの言い方がそうでないのか?
そしてどの作品にどの言い回しをしたのか?気になりますよねっ(笑)
映画評論をする仕事の傍らで、自らメガホンをとり出演もした映画作品が『シベリア超特急』シリーズ。
※監督名義はマイク・ミズノでクレジットされています。
第一作は1996年、2000年に二作目、2003年に三作目、2005年に四作目が公開されている他、三回舞台公演もされています。五作目も制作予定だったのですが、製作準備段階で水野さんが肝不全によりお亡くなりになったため製作されていません。
さてこの『シベ超』シリーズですが、第二次世界大戦前後に満州へと向かうシベリア超特急で起きた殺人事件の謎解きサスペンス映画で、水野さんが脚本を執筆、監督・出演、主題歌の作詞もしています。
この移動する列車内という密室空間で繰り広げられるサスペンスドラマは、サスペンス映画の第一人者・ヒッチコックの作品をモチーフにしていて、映画タイトルもヒッチコック作品の『バルカン超特急』から来ています。映画内では名作映画のシーンや名監督の演出技法をオマージュした箇所が見られる一方で、強い反戦メッセージも含まれています。
映画の最後にはドンデン返しが仕込まれていて、映画の冒頭に“ネタバレ厳禁”というテロップが入るのがお約束です。
このシリーズは大作・名作といったたぐいの映画ではなく、B級な映画シリーズです。
低予算で作られているということもありますが、舞台となる列車の造りが明らかにチャチぃことや、人が殺されているにもかかわらず列車はひたすら走り続けるというリアリティがあるとは言えない設定とか、ラストのカメラ目線での不自然なセリフとか、まったく役者経験がない水野さんの演技とか、そこかしこにB級映画の香りがありますが、これって絶対わざとですよね。
はなから名作映画など作る気は無く、低予算なりに単純に観客に楽しんでもらうことに徹した結果水野さんが選択した演出なのでしょう。
その証拠にB級映画マニアな漫画家みうらじゅんさん等から高評価を得ていて、カルト的とも言える人気を得ています。
正直、大ヒットした映画ではありませんので、全作をレンタルビデオ店で見つけるのは難しいかもしれませんが、見つけることが出来たら、是非借りてみてください。
いろんなところにツッコミを入れながら、映画ファンならオマージュの元作品を想像しながら、そして全てをぶち壊しにしてしまうかのような役者・水野さんの演技(笑)。
くれぐれも真剣に観ないで、気軽に楽しむ映画ということをお忘れないように。
「なんだ、この映画はっ!」ってことになりかねません。
そういう映画ですので、観る方もバラエティ番組を観る時の気分で楽しむのが正解ですよ。
「いやぁ、映画って本当に…」は、TVの映画解説を始めた当初からあったものではなく、あの名作西部劇『シェーン』の解説をした際に、最後に少しだけ時間が余ってしまったのでディレクターから何か一言付け加えて欲しいと言われてとっさに出てきた言葉なんだそうで、それがオキマリの締め言葉として定着したんだそうです。
ところで「いやぁ、映画って本当に…」には数種類のパターン有ったのはご存知でしょうか?
「いやぁ、映画って本当にいいもんですねぇ~」の他に、「素晴らしいもんですねぇ~」「楽しいもんですねぇ~」「面白いもんですねぇ~」などがあったんだそうですが、気付いてました?
そして実はコレ、使い分けていたのには意味があって、作品の評価によって言い換えていたんですっ!
いやぁ~、面白いですねぇ~。
どの言い方がいい評価で、どの言い方がそうでないのか?
そしてどの作品にどの言い回しをしたのか?気になりますよねっ(笑)
映画評論をする仕事の傍らで、自らメガホンをとり出演もした映画作品が『シベリア超特急』シリーズ。
※監督名義はマイク・ミズノでクレジットされています。
第一作は1996年、2000年に二作目、2003年に三作目、2005年に四作目が公開されている他、三回舞台公演もされています。五作目も制作予定だったのですが、製作準備段階で水野さんが肝不全によりお亡くなりになったため製作されていません。
さてこの『シベ超』シリーズですが、第二次世界大戦前後に満州へと向かうシベリア超特急で起きた殺人事件の謎解きサスペンス映画で、水野さんが脚本を執筆、監督・出演、主題歌の作詞もしています。
この移動する列車内という密室空間で繰り広げられるサスペンスドラマは、サスペンス映画の第一人者・ヒッチコックの作品をモチーフにしていて、映画タイトルもヒッチコック作品の『バルカン超特急』から来ています。映画内では名作映画のシーンや名監督の演出技法をオマージュした箇所が見られる一方で、強い反戦メッセージも含まれています。
映画の最後にはドンデン返しが仕込まれていて、映画の冒頭に“ネタバレ厳禁”というテロップが入るのがお約束です。
このシリーズは大作・名作といったたぐいの映画ではなく、B級な映画シリーズです。
低予算で作られているということもありますが、舞台となる列車の造りが明らかにチャチぃことや、人が殺されているにもかかわらず列車はひたすら走り続けるというリアリティがあるとは言えない設定とか、ラストのカメラ目線での不自然なセリフとか、まったく役者経験がない水野さんの演技とか、そこかしこにB級映画の香りがありますが、これって絶対わざとですよね。
はなから名作映画など作る気は無く、低予算なりに単純に観客に楽しんでもらうことに徹した結果水野さんが選択した演出なのでしょう。
その証拠にB級映画マニアな漫画家みうらじゅんさん等から高評価を得ていて、カルト的とも言える人気を得ています。
正直、大ヒットした映画ではありませんので、全作をレンタルビデオ店で見つけるのは難しいかもしれませんが、見つけることが出来たら、是非借りてみてください。
いろんなところにツッコミを入れながら、映画ファンならオマージュの元作品を想像しながら、そして全てをぶち壊しにしてしまうかのような役者・水野さんの演技(笑)。
くれぐれも真剣に観ないで、気軽に楽しむ映画ということをお忘れないように。
「なんだ、この映画はっ!」ってことになりかねません。
そういう映画ですので、観る方もバラエティ番組を観る時の気分で楽しむのが正解ですよ。
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