美作国一宮:中山神社

津山市一宮にある『中山神社』は、慶雲4年(707年)に創建されたと伝えられている美作国の一宮です。
現在の呼称は“ナカヤマジンジャ”で、“仲山大明神”や“南宮”とも呼ばれていますが、かつては“チュウザンジンジャ”もしくは“チュウゼンジンジャ”と呼ばれていたそうです。

参道にある神社の案内によりますと、“延喜式(えんぎしき)”にも載せられた式内社で、『今昔物語』や『一遍上人絵伝』にも名前が登場するなど古来より広くその名前が知られていたそうです。
この本殿は「中山造(なかやまつくり)」と呼ばれている美作地方独特の神社建築様式で、この中山神社本殿がその最古の物。大正3年に国指定重要文化財に指定されています。
※この神社は戦国時代に尼子晴久(あまこはるひさ)が美作の地に攻め入った時、境内に陣を置く者達を攻略するために火を放ち焼け落ちたのですが、美作平定を果たした晴久自身によって永禄2年(1559年)に再建したものが現在の中山神社です。

中山神社の鳥居。
中山神社はその建物だけでなく、この鳥居も独特の造りで「中山鳥居」と呼ばれていて、角貫に木鼻がなく笠木と島木にそりをもたせて壮大美を強調してあります。
鳥居の奥左手に名木百選に選ばれている“中山神社のムクノキ”が見えます。この樹は樹齢約500年、目通り5.3m、高さは23mあります。
この神社には、他にも参道にある“祝木(いぼぎ)のケヤキ”(樹齢約800年)、本殿の横にあるイチョウも名木百選に選ばれています。

鳥居そばの大きなキンモクセイから漂う甘い香りにいい心地で参道を進むとでっかい狛犬があり、更にその奥に猿の狛犬…いや狛猿が。これは中山神社の奥にある「猿神社」のもの?


神門前に“御手洗川(みたらいかわ)”が流れていて、石橋を渡って神門をくぐり境内に入ります。
この神門は津山城二ノ丸の四脚門(よつあいもん)だったもので、津山城廃城後の明治7年(1874年)に中山神社に移築されました。





中山神社境内。さすが美作国の一宮、名前に恥じぬ立派な社殿です。
拝殿左手側に神楽殿と惣神殿があり、右手側に社務所があります。


これが本殿です。
「中山造」と言われる入母屋造妻入檜皮葺で、間口5.5間、奥行5.5間、建坪が約41.5坪の大きく立派な御本殿ですね。



本殿の裏手、約50mの岩肌には「中山の猿神」として登場した『猿神社』があります。
この『猿神社』は猿多彦神(さるたひこのかみ)といい、本社では安産神として崇敬されていて、奉納された赤い猿のぬいぐるみが祀られています。
中山神社は古来より牛馬の神・農耕の神として名高く、毎年四月に行われる“お田植祭”では、笛や太鼓に合わせて雌雄の獅子が舞い、鍬人が鍬を振って苗を植える様を演じ五穀豊穣を祈っています。
中山神社
岡山県津山市一宮695 【地図】
TEL:0868-27-0051
駐車場:500台
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