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誕生寺の逆木の公孫樹

誕生寺の逆木の公孫樹

久米郡久米南町にある、法然上人(ほうねんしょうにん)生誕の地に建てられた『誕生寺(たんじょうじ)』は、法然上人に弟子入りして出家し、蓮生(れんしょう)と名乗った坂東武者・熊谷直実(くまがいなおざね)が法然を慕って建造したのが始まりで、当時は『誕生律寺』と呼ばれていたそうです。

この誕生寺は、“中国三十三観音特別霊場”であるとともに、“法然上人(圓光大師)25霊場の第1番”でもあります。

本堂である「御影堂」は二度の損壊の後、元禄8年(1695年)に再建された物で、国の重要文化財に指定されており、それ以外にも歴史的価値の高い物が多く残されています。


誕生寺 山門
重要文化財(国指定)
「御影堂」「山門」

登録有形文化財
「無垢橋」

岡山県指定重要文化財
「繍帳阿弥陀三尊来迎図」「木造清涼寺様釈迦像」「木造阿弥陀如来立像」「櫓時計」「石造宝篋印塔」「石造五輪塔」「大仏」

岡山県指定記念物(史跡)
「境内」

岡山県指定重要無形民俗文化財
「誕生寺二十五菩薩練供養(会式法要)」

いやあ、すごいですねー。

そしてこの誕生寺には「県指定天然記念物」に指定されている『逆木の公孫樹(さかきのいちょう)』と呼ばれる大イチョウがあるのですが、この木が今までにないくらい美しく色付いたとの話を聞き訪れてきました。

境内入ってすぐにある逆木の公孫樹
山門をくぐるといきなり目の前に本日の主役、逆木の公孫樹が現れました。
境内にあるこのイチョウの木、法然上人が奈義町にある「菩提寺」の大イチョウの枝を杖にしていた物をここにさしたところ、根が逆さに伸びたのだそうです。


逆木の公孫樹
銀杏立て札
確かに言われてみれば木が逆さまになって、根っこに葉が付いているようにも見えます。
それにしても見事な黄葉です。訪れた人達が木を取り囲むようにして写真を撮りまくっていましたよ。

よく見ると銀杏がなっていましたので雌木なんですね。地面に落ちているものは無く、あの独特の香りは感じられませんでした。

県指定天然記念物ということで、解説の立て札が立てられています。


御影堂瑞應殿
ついでと言ってはなんですが、せっかく歴史的価値のある物がたくさんありますので見学してまわりました。
まずは、本堂である「御影堂」。
屋根が老朽化してきたため、平成10年(1998年)に修築工事が行われています。

続いては老朽化のために解体された「阿弥陀堂」に変わって、平成15年に再建され「瑞應殿」と呼ばれる建物(右)と、寺務所(左)。


大イチョウと大仏と法然上人像
旅立ちの法然さま像大仏
大イチョウ黄色い絨毯
逆木の公孫樹とは別に、もうひとつ大きなイチョウの木があるのですが、その下に「旅立ちの法然さま」と銘うった銅像と大仏があります。

法然上人と見送る村人(?)。みんなかなり若く見えますね。何歳くらいの設定で作られたのでしょうか?

岡山県最大といわれている大仏様で高さ6.42m・重量は450kgだそうです。
延享2年(1745年)に造られたらしいのですが、そうとは思えないくらい状態がいいですね。

大仏を見下ろす、点に向かって真っすぐに伸びたイチョウの木。逆木の公孫樹とは対照的な形です。
木の下が落ち葉で黄色い絨毯状態になっています。


勢至堂
水子子育地蔵勢至堂石造宝篋印塔
「御影堂」の裏手を流れる片目川に架かる「無垢橋」を渡り、法然上人の両親が眠る「勢至堂(せいしどう)」へ。
美作国の押領使(おうりょうし:警察・軍事的官職)だった父・漆間時国(うるまときくに)は、夜討ちに合い深手を追うも、息子・勢至丸(せいしまる)に仇を討つことを戒め、出家して自らの解脱を求めるよう言い残してこの世を去ったのだそうです。
父の遺言に従って勢至丸は奈義の「菩提寺」で修業し、後に法然上人となったのです。

入って左手にある水子子育地蔵様。とても優しいお顔をしています。

法然上人の両親が眠る「勢至堂」です。

「石造宝篋印塔(せきぞうほうきょういんとう)」。南北朝時代に造られたもので、岡山県指定重要文化財になっています。


「六角堂」の参道六角堂
「勢至堂」から左へと登る階段があります。
この階段は法然上人御両親菩薩所「六角堂」の参道で、この先に右手に「六角堂」があります。

法然上人御両親菩薩所「六角堂」。
この建物は比較的最近改修工事がされたのでしょうか、ガラス戸なんかもありますし割と新しい気がします。

ちょっと駆け足でのご紹介となりましたが、せっかく訪れたなら数多く残された史跡をゆっくりと見て回ってください。

浄土宗誕生寺-法然上人御誕生之聖地
岡山県久米郡久米南町里方808 【地図】

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観光-史跡 | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2012/11/24 23:38
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