春の田に咲く蓮華草

稲の品種改良によって田植えの時期が早くなってきていることと、機械による田植えの際には轢きこまれた蓮華草がジャマになってシッカリと苗を植えられないことがあるということもその理由にあるようです。
蓮華草は中国原産のマメ科ゲンゲ属の植物。
一般的には“レンゲ”という名称が主流のように思うのですが、正式名称は“ゲンゲ”なんだそうですよ。
でも、ゲンゲっていうのは濁音が多くてなんだか春の風物詩であるこの花には似合わないような気がするのは自分だけでしょうか?個人的にはやっぱりレンゲって呼びたいですねー。
ちなみに、蓮華というのは花の形が蓮(はす)に似ていることから来ているのだそうです。
蓮華草は窒素を固定する根粒菌の働きによって根に球形の根粒がつくのですが、この窒素固定力はなかなか強力なもので、蓮華草ごと田んぼを轢くことで稲の育成に適した土壌にできます。
稲作では100kgの玄米を収穫するには約2kgの窒素が必要といわれていて、例えば10aの農地で600kgの収穫を得るには12kgの窒素がいることになるわけですが、蓮華草の種を撒いておけば10aで5kg以上の蓮華草による窒素が得られるので、不足分だけ化学肥料に頼ればいいのですからなかなか有効な手段ですよね。
しかも蓮華草を生やしておくことで他の雑草の繁殖を抑える効果も期待できます。
蓮華では無く白詰草(クローバー)を生やしている田んぼもありますが、これも同様な効果を狙ってのことです。
また、蓮華草の花はミツバチのいい蜜源となるため、鏡野町にある山田養蜂場では蜜源としてレンゲ畑を育てているみたいですよ。

この種を撒く時期が遅れると、春の蓮華草の生育が遅れてしまい、田植え前の田起こしまでに十分に成長してくれませんので注意してください。成長が不十分だと得られる窒素も当然少なくなるわけですね。
蓮華草を轢きこんでから土壌が熟成するまでには約20日程見たほうがいいようです。
蓮華草を緑肥としてではなく、単純に観賞用として育てたい場合は、陽当たりが良く、建物や山などで日陰になり憎いところを選んでください。
種蒔き時期はやはり9月頃が最適です。
土壌は弱酸性のものを好みますので、酸性が強いようなら石灰を撒くなどするといいでしょう。堆肥や腐葉土をすき込んだ水捌けの良い土、可能であれば田んぼの土を使えれば最適ですね。
蓮華草が成長するには根粒菌が必要です。これはホームセンターや園芸店、またはインターネットなどの通販でも入手できますが、根粒菌には種類があるので蓮華草に適した物を買い求めてくださいね。
種は植えるのではなく、土の上に文字通り撒いて後から土を1cmほどかぶせてやってください。
乾燥すると発芽不良になりますので、発芽するまでは毎日の水やりを。
発芽して育ってきたら、土が乾いてきたら水やりをする程度でいいですよ。
蓮華草は耐寒性に優れているのですが、雪が積もったり霜が頻繁に降りる寒い地域では霜避けや敷藁で防寒対策をしてあげた方がいいでしょう。
後は成長してきて間隔が狭くなってきたら、少し間引いてあげるくらいで肥料をあげたりなどの手間は不要で、翌年の春には薄紫色の可愛い花を咲かせてくれることでしょう。
※蓮華草はマメ科の植物なので連作には適していません。最低でも一年は間隔を開けてやったほうがいいようです。
ちなみに蓮華草の茎や葉はオヒタシに、花は天ぷらなどにして食べることができるそうです。
今まで考えたことは無かったんですが、確かに蓮華草の葉や茎は柔らかいので上手く料理すれば美味しく食べられそうに思えます。
誰か挑戦して感想を教えてくださいませんか(笑)。
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