花のシャンデリア:藤

山に自生している “山藤(ヤマフジ)”または“野藤(ノフジ)”は、公園の藤棚などで多く育てられている藤=野田藤(ノダフジ)に比べて花の房=花序の長さが短く、ツルの撒き方も野田藤が右巻きなのに対して山藤は左巻きという違いがあります。
フジ属はマメ科の蔓植物で、大きく8種ほどに分けられるのですが、これらをまとめて藤と呼ぶのが一般的で、そのうち山藤と野田藤は日本固有の種とされています。
藤の木はその大きさからマメ科というのは意外に思われる方もおられるかもしれませんが、その種はマメ科の植物らしく鞘に覆われていてひとつの鞘に数粒の豆状の種ができます。
この種は花後に剪定をしたらならなくなるので、手入れが良くされている公園などの藤棚では見ることは滅多にないでしょう。
全国的に藤の花の名所はたくさんあり、岡山県では和気町の藤公園や玉野市の渋川海岸が有名ですね。
※藤公園は品種の数が日本一、渋川海岸は900mある藤棚の長さが日本一だそうです。
また、市町村の花に藤を選択している自治体も多く、岡山県では倉敷市が市の花に、和気町が町の花に指定しています。

確かにマメ科の植物ですので食用にできても不思議では無いんですが。
食用と聞いて最初に思い浮かべるのが種ですね。
豆の大きさは碁石と同じくらいで表面はかなり固いのですが、栄養価が高く美味しいのだそうです。
食べ方は簡単でフライパンなどで炒るだけ。モチモチとした食感が楽しめるそうです。
ただ、食べすぎちゃうと鼻血がでるそうなんでホドホドに。
あのキレイな花も食べられます。新芽・ツボミ・花を房ごと湯がいて三杯酢や天ぷらにするんだそうです。
味的にはコレといった特徴は無く独特の花の香りが口の中に広がるのが特徴と言えば特徴なのですが、ポリフェノールが含まれているので健康にいいみたいですね。
塩漬けして「花茶」にすることも。
老木に出来る瘤(コブ)・藤瘤(トウリュウ)は水洗をして日干しをし、粉末状にしたものを胃癌薬にしているそうです。
また、藤は痩せた土地でも育つことからか、飢饉になったときに根っこを食べたという文献が残っているそうですよ。正直食べたいとは思いませんが、どうやって食べたのかには興味ありますね。
花を愛でたり食べたりする以外にも、蔓を材料に使用した家具などの民芸品、蔓の繊維を使った藤布、蔓の皮から採れる繊維から藤紙が作られたりと、思いのほか生活に役立ってくれる藤の木。
今度花を見ることがあったら、それらのこともちょっと思い出して会話のネタにしてみてくださいね。
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