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岡山の著名人:寺田克也【イラストレーター】

西遊奇伝・大猿王1 amazon.co.jpこのブログを見てくださっている方の中で、岡山県玉野市出身のイラストレーターであり漫画家の寺田克也(てらだかつや)さんをご存知な方はどれほどおられるでしょうか?
アニメやTVゲーム、もしくは特撮に興味を持たれている方なら、超実力派のキャラクターデザイナーとしてご存知かと思いますが、正直そっち方面にまったく詳しくない方だと「誰それ?」レベルかもしれませんね。

寺田さんは、岡山県立岡山工業高校工業デザイン科を卒業したのち、東京都の阿佐ヶ谷美術専門学校に入学。

在学中から既にイラストの仕事などの依頼を受けるほどの実力で、卒業後はそのままフリーランスのイラストレーターとして活動を始められています。

彼の描くイラストは、海外のアーティストでは先日永眠されたメビウス、国内では生頼範義に大きな影響を受けている他、漫画家の大友克洋さんにも影響を受けています。(大友さんとは交友関係)

寺田さんは現在ではすっかり一般的になったデジタルによるイラスト作画にいち早く取り組んだパイオニアでもあり、「Painter」というPCソフトを使用しての作画は、あのドラゴンボールの鳥山明さんをはじめ多くのイラストレーターや漫画家が寺田さんから学んでいます。

彼の仕事は多岐に渡り、主にアニメ・ゲーム・実写映画などのキャラクターやコスチュームデザイン、小説の表紙や挿絵、漫画、単発もののイラストなどがありますが、自身のHPですら「この仕事をします・しました」的なお知らせをしていない為、熱心なファンですら彼の仕事のすべては把握できていないようです。

一般の方でもご存知であろう作品での寺田さんの仕事をピックアップしてみます。
・山田風太郎著「伊賀忍法帖」「甲賀忍法帖」の表紙イラスト
・仮面ライダーWのクリーチャーデザイン
・庵野秀明監督実写版「キューティーハニー」のハニーコスチュームデザイン
・三池崇史監督実写版「ヤッターマン」のメカ & キャラクターデザインリファイン

次に彼の画力のすごさを観ていただきます。

寺田さんの描くイラストはリアル系の綿密なものが大半なのですが、すごいのが普通に考えればリアル系の絵には必要不可欠と思われる下書きをほとんど(まったく?)必要としないこと。

真っ白なところにサササーと一発で描き入れていって、それでいてデッサン狂いはほとんどなく、全体の構図もしっかりとしています。
「プロなんだから、取りたてて“すごい”って言うほどのことじゃないんでは?」と思われます?自分の知る限りではまったくのアタリ線すらないところに一発描きして完成された絵が描けるっていうのはトンデモナイことに思えます。

つい先日閉幕した「京都国際マンガミュージアム」での「寺田克也ココ10年展(2013/03/16~2013/06/30)」で行われたライブドローイング・パフォーマンスが公開されていますので見てみてください。



自分は最後に完成したイラストをみて思わずそのすごさに笑っちゃいました。彼の頭の中の構造はどうなっているんでしょうね?
デジタルペイントによる作画で知られる彼ですが、その真骨頂はアナログにあり!
アナログで培われた実力があってこそのデジタル作品なんだと実感した次第で、“ラクガキング”というニックネームにも納得。

その一方で寺田さんは何作品か漫画も描かれているんですが、“描きたい絵・見せたい絵”を漫画形式で描いているっていう印象を個人的には受けました。面白いストーリーやキャラクターの個性付けや印象的なセリフによって読者を引き込むんじゃなくって圧倒的な画力をストーリーに合わせて紙芝居的に読み進むっていう感じでしょうか?
男性受けは良さそうですが、女性や子供の読者には?ですかね。

漫画と言えば、寺田さんの仕事では数少ない“ふるさと岡山県”に関連したものがあります。
小松左京さんの小説『日本沈没』をベースにしたパロディ漫画アンソロジー本、「日本ふるさと沈没」に「しあわせな桃太郎」という、童話の“幸せな王子”をモチーフに岡山駅前の桃太郎像が一人語りするというお話の漫画だそうです。
これがなかなか面白いという評判なんですが、残念ながらこの作品はまだ読むことが出来ていません。
おなじく岡山県玉野市出身の漫画家いしいひさいちさんも寄稿されていて、この作品もかなり面白いそうなんで興味のある方は購入されてみてはいかがでしょうか。

公式ウェブサイト

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著名人 | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2013/07/04 23:55
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