JR姫新線 美作土居駅

JR姫新線「美作土居駅」は旧作東町(現在:美作市)のかつて宿場町:土居宿と呼ばれていた土居地区にある駅で、津山駅が管理しタクシー会社に切符の販売などを委託している簡易委託駅。
姫新線の岡山県内東側の端の駅で、上り側隣駅は兵庫県佐用町の「上月駅」になります。
開業したのは1936年(昭和11年)で、当時の「姫津線」が作用駅から美作江見駅まで伸延されたのと合わせての開業でした。同年10月に「姫津線」が「姫新線」のいちぶとなったことにより、「美作土居駅」もその所属となりました。
駅名が「美作土居駅」となっていますが、これは開業時すでに他の地方に“土居駅”が存在していたからで、岡山県北の美作地方にあるという意味で土居の頭に美作をつけてこの駅名になったそうです。

この駅の有る土居地区は土居宿と呼ばれていた出雲街道の宿場町だったのですが、現在は宿は無くほとんどその面影も残ってはいないのですが、それでも昭和の香り残る古い建物が多く残っていたり、史跡の案内板があったりとかつての宿場町に想いをはせるこ都が出来る雰囲気の有る街並みがあります。
それはこの駅舎もそうで、岡山県内の姫新線の駅舎に多く見られる木像(セメント)瓦葺平屋建ての味わい深いもので、幾度かリフォームがなされてアルミサッシ化されていたり、合成樹脂生の椅子が設置されていたりはするものの、ほとんど建築当時のまんまの状態なのが郷愁を誘います。


駅舎入口の上に今風の駅名表示板がありますが、入口左手に小さなタイルを使って駅名が書かれているものが
置かれていますが、これは開業時から現在の駅名表示板になるまで実際に入口上に設置されていたものなんだそうですよ。

駅舎の中に入る前に、駅舎前の広いスペースの端に設置されている案内板を見てみましょう。
これはこの町が土居宿と呼ばれていた頃の様子を描いた史跡案内図で、「本陣」「脇本陣」など、宿場町だった当時を連想させてくれます。
※上の写真をクリックすると地図を拡大表示できます


駅舎の中に入ってみましょう。
姫新線の他の駅に比べてこぢんまりとした駅舎内となっています。他の姫新線の駅舎では大半が外トイレなのに対してこの駅ではくっついているのが珍しいですね。(写真に見える茶色いドアがトイレ入口です)
この駅は簡易委託駅ということで窓口は今も使用されていて切符などの販売がされているようですが、覗いてみても誰もいないようでした。
声を掛けたわけではありませんので、「すみませぇーん」って呼べば出てこられたのかも?


ホームに出てみました。
金属製のゴミ箱や合成樹脂製の椅子があったりアルミサッシだったりはしますが、それ以外は古いまんまが維持されているようです。
蛍光灯の笠も古いものをそのまま使用していますし、建物の構造が建築当時のままの木造っていうのはなんだか暖かみがあっていいものですね。

岡山県内二番目の駅「美作江見駅」方面。
線路は現在一本だけなのですが、以前は反対側にも線路があった痕跡が残っています。

反対の「上月駅」方面を見てみました。
本当になんにもない田舎の駅なのですが、駅舎の壁にぶら下げられたブリキのジョウロやホウキ達がいい味を出してくれています。絵を描かれる人ならこのアングルで一枚描いてみたくなりそうな、そんな空気が漂っていました。
「美作土居駅」 【地図】
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