JR姫新線 美作江見駅

JR姫新線「美作江見駅」は旧作東町(現在:美作市)の中心近くに設けられた駅です。
駅前に出ると“商店街”という文字がちらほらと見受けられますので、かつては大勢の人出で賑わっていたのかもしれませんが、現在のような自動車社会となってからはすっかりさびれてしまったようです。
この駅はJR姫新線の岡山県内東側から二番目の駅で、上り側の隣駅「美作土居駅」や下り側隣駅「林野駅」(いずれも美作市内)と同様、昭和初期に開業した時とほとんど変わらない木造瓦葺平屋建ての素朴な造りになっています。
昭和9年(1934年)に当時の「姫津西線」東側の終着駅として開業、同年10月に「姫津西線」は「姫新線」の一部となったことから当駅もその所属となり、姫新線の途中駅となっています。
現在は津山駅管轄の簡易委託駅で、無人駅状態ですが構内の掃除や手入れ、切符の販売などを行っているおばあちゃんがいます。
※簡易委託駅とは、運転・信号扱いを除くほとんどの業務を委託した駅を「業務委託駅」というのに対し、改札業務を行わなかったり発売する切符が近距離乗車券のみに限定されるなど、一部業務のみを委託された駅のことをいい、駅員無配置駅=無人駅に分類されます。



こうやって見るとまわりには近代的な物が見えず、ノスタルジックな光景ですね。
2012年に第一生命のTVCMのロケがされ全国放送で流れたときは、地元民の間ではちょっとした話題になったりしたのですが、後ろに見える山の他に特に何も見えないことと昭和の香り溢れる素朴な駅舎が“ふるさとの駅”のイメージにぴったりと重なってのCMロケ地に採用された理由なんでしょうかね。
姫新線「江見駅」
東京から帰省していた家族を駅まで車で送って、別れ際に「また帰ってきて」というセリフを告げるとほぼ同時に入ってくる一両編成の列車。その家族の周囲を“大勢の”地元の通勤・通学客が駅舎へと急ぐ…といった内容で、心に残るとてもいいCM。
もっとも地元の人いわく「あんなによーけー人がおるん初めて見たわ」だそうです(笑)。
※花に水やりをしている駅員さんを含めて、登場する行き交う人達はエキストラさんです。



外観同様、駅舎内も基本的に板張りで、窓枠がアルミサッシに変更されていたり、椅子が合成樹脂製だったりする以外は開業当時のほぼそのまま残っているようです。
荷物受付窓の手前の金属製の台も撤去されていなかったり、窓枠したの木製のベンチがいい味出してくれています。

ホームに出てみました。
改札はコンクリート製、もう誰かが立つことはないのでしょうが、それでも駅構内は良く手入れがされているのがわかります。
可愛いお花のプランターが置かれ、足元にはゴミなどひとつも落ちておらず、気持ちがいいです。


この駅は相対式ホーム2面2線で、駅舎側が2番ホーム。1番線側のホームと連結する跨線橋などは無いので、作用駅側の構内踏切を歩いて渡ることになります。
ホームから見える風景はのどかに広がる田んぼと山で、離れたところに建物は見られるものの、のどかでゆったりとした時間が流れているように感じます。


写真を取っているとタイミング良く列車が入ってきたんですが、乗車する人はおらず一人の女性が降りて来られたのみでした。
(上の写真参照)
最初の方でも書きましたが田舎は完全に車社会となってしまったので、メインの利用客は通勤・通学客。後は車を運転しない高齢者の方が多いみたいですね。
一日あたりの乗車客は2000年で約100名だったのが最近では60名位にまで減少しているようです。
「美作江見駅」 【地図】
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