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津山弁講座:こそあど言葉(2)

「こそあど言葉(1)」では「これ・それ・あれ・どれ」についての津山弁を紹介しました。
今回は「こそあど言葉(2)」と銘打って「ここ・そこ・あそこ・どこ」についての解説・ご紹介です。

「あそこ」については「あっこ」とも言うんですが、これは津山弁なのか?それとも標準的にも使われているのか?少なくとも関西圏から西では広く使われているようですので“津山弁”としては扱わないことにします。
イチイチ解説が必要な言葉とも思えませんしね(笑)。
「あっこ」以外の「ここ・そこ・どこ」はそのまんまで使用しています。

「○○も」「○○にも」「○○で」「○○が」「○○と」「○○や」などについては津山弁での変化はなく、標準語と同様です。


「○○へ」という場合、語尾の“こ”が後の“へ”の影響を受けて“け”に変化します。
また津山弁では「○○に」では標準語と変わりないんですが、大体において「○○に」は使用せず「○○へ」を使うことが多いようですね。

「ここへ」 → 「こけぇ」
「そこへ」 → 「そけぇ」
「あそこへ」 → 「あそけぇ」 または、「あっこに」 → 「あっけぇ」 
「どこへ」 → 「どけぇ」

次に使用例です。

例)「こけぇ置いとったんじゃけど知らん?」
訳)「ここに置いていたんだけど知らない?」

例)「大人しゅうそけぇちゃんこしときんちゃい」
訳)「大人しくそこに座っておきなさい」

例)「あっけぇ行くん、どー行きゃあ早えぇじゃろ?」
訳)「あそこに行くのは、どのルートが一番はやいのかな?」

例)「どけぇあるん?」
訳)「どこにあるの?」


「○○は」の場合には、語尾の“こ”が後の“は”の影響を受けて“か”に変化します。

「ここは」 → 「こかぁ」
「そこは」 → 「そかぁ」
「あそこは」 → 「あそかぁ」 または、「あっこは」 → 「あっかぁ」 
※「どこは」は通常使用しないので省略します

使用例です。

例)「こかぁワシに任せときゃあええけん」
訳)「ここは俺に任せとけばいいから」

例)「おえんっ!そかぁブチくすぐったいけん(苦笑)」
訳)「だめっ!そこはスゴイくすぐったいんだから(苦笑)」

例)「あっかぁどねーしてあねぇあけーんなら?」
訳)「あそこはどうしてあんなに赤いんだよ?」


「○○の」の場合ですが、「こそあど」そのものには変化が有りませんが、“の”が“ん”に変化します。

「ここの」 → 「ここん」
「そこの」 → 「そこん」
「あそこの」 → 「あそこん」 または、「あっこの」 → 「あっこん」 
「どこの」 → 「どこん」

使用例です。

例)「ここん息子ぁーえろぉ賢ぇらしーで」
訳)「ここの息子さんはすごい頭がいいらしいよ」

例)「そこん置いとるんいごかしてんや」
訳)「そこに置いている物を別のところに移動させてよ」

例)「あそこんウチャあブゲンシャじゃあ」
訳)「あそこの家は大金持ちですよ」

例)「ありゃあどこんワルゴじゃ?」
訳)「あいつはどこのヤンチャ坊主だ?」


「○○を」の場合は、変化はないのですが“を”ではなく、語尾の“こ”と繋がって“こぉ”となります。
方言と言えるのかどうかって程の微妙な違いですが、津山の人は標準語の「○○を」じゃなく明らかに「ここぉ」「そこぉ」「あそこぉ(あっこぉ)」「どこぉ」と意識して発音してます。

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津山弁講座 | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2013/10/01 23:58
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