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台風26号による広戸風発生

先日の台風24号が日本海を通過した際の岡山県内の被害は一部地域を除いてほとんど見られませんでした。
これは中国山脈が壁の役割をしてくれているおかげで、中国山地に位置する真庭市の蒜山で民家のトタン屋根が強風で飛ばされた以外の目立った被害情報は無かったように思います。

そしてあまり間を開けず、大型で強い台風26号が発生。今度は太平洋側を北東に移動していき、日本各地に風雨による被害をもたらしました。
岡山県では16日に強風域に入るということで警戒が呼びかけられていましたが、台風からはかなり距離が有ったためか、ニュースになるほどの被害が出るまでには至らなかったところが多いようです。

ところがそんな状況下で岡山県北の勝英エリアの一部、奈義町・津山市の旧勝北町エリア・勝央町などでは強風により屋根が飛ばされたりガラスが割れるなどの被害が発生しています。

これは『広戸風』と呼ばれている、この地域独特の局地的な強風が発生したためです。

“日本三大局地風”のひとつに挙げられているこの広戸風、今回の台風26号のようにかなり離れたところを台風が通過した場合に発生することがよくあります。
風は狭いところを通過する際に勢いを増す特徴がありますが、北からの強めの風がこのエリアの北にある“広戸仙”という山を越えるときに、この山の形状の影響で風が収束され非常に強い風となって吹き下ろすんだそうです。

そのため、周りのエリアでは「ちょっと強い風が吹いたな~」って思う状況下、このエリアでは農作物がなぎ倒されたりトタン屋根が吹き飛ばされたりなどの広戸風による被害が起こっていることがあります。
※必ず発生するわけではありません

集落の北側に防風林を設けるなどの広戸風対策はされていますが、このエリアに広がる全ての農地をカバーするのは現実的に困難なようで、台風の多く発生するこの時期は地域の農家の方達は気が気ではありません。

“日本三大○○”に挙げられているだから、うまく地域おこしに利用できないかとちょっと思ったりしましたが、この風の影響で地元の人々が被害を受けていることを考えますと“思うだけ”に留めておいたほうがいいでしょうね。

台風26号、岡山県でも被害 奈義と真庭で10棟一部損壊

 大型で強い台風26号は16日未明、岡山県内に最接近した。奈義町では同日午前3時すぎ、山から強く吹き下ろす「広戸風」が発生。真庭市と奈義町で学校や民家の屋根や壁が飛ばされたり、ガラス戸が割れ、計10棟が一部損壊した。けが人はなかった。

 岡山地方気象台は15日夜から津山市、奈義、勝央町に暴風警報を発令。最大瞬間風速は奈義町で36・7メートルを観測したほか、真庭市久世や新見市千屋、美作市今岡でも20メートルを超えた。15日午前7時の降り始めから16日午後8時までの総雨量は、真庭市蒜山上長田172ミリ、鏡野町上斎原109ミリ。岡山市中心部では28・5ミリだった。

 この強い風により、建物被害が続発。奈義町柿の民家などで瓦やトタンなど屋根の一部が吹き飛ばされた。真庭市では同市栗原の美川小体育館のスレート屋根が破損。同市台金屋の製材所では壁、同市蒜山地区の市営住宅で屋根のトタンがはがれた。

 中国電力岡山支社によると、美作市と奈義町で約4100戸が停電。交通網も混乱し、JR因美線の津山―智頭間で運転を見合わせたほか、風による倒木で津山、真庭市の県道などが一時通行止めになった。

「山陽新聞」 台風26号、岡山県でも被害 奈義と真庭で10棟一部損壊(2013/10/16)

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ニュース | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2013/10/16 23:50
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