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和ちゃんとオレ【映画】

「和ちゃんとオレ」公式サイト「和ちゃんとオレ」 2014年1月18日公開 / 制作:テレビ東京/監督:曺絹袖

このブログでは岡山県や田舎暮らしに関連する様々なメディアの作品を紹介しています。
今回紹介する、このドキュメンタリー作品もまた岡山県岡山市のフリーライター・野田明宏さんがアルツハイマーを発症した母親の介護をする姿を映し出したものということでピックアップしたのですが、“岡山県”とか“田舎”とか、そういうこと関係なく出来るだけ多くの方に観ていただきたい映画です。

近年増えつつある働き盛りの年齢の息子による親の介護=「息子介護」。
“介護”というものは誰がしても大変なことに違いは無いのですが、働き盛りの息子が一人で親の介護をする=まともに働く事が出来ない=収入を得ることが出来なくなる・介護から解放された後の就職が困難という問題もあります。
そうでなくても大変な介護ですが、それまで人の世話などほとんどしたことのない男性が仕事をやめて、親の介護に従事するというのは相当なストレスが堪る事だと思います。
介護者による被介護者への暴力は「息子介護」のケースが最も多いと聞きます。もちろん暴力は肯定できるものではありませんが、思わずそうしてしまう精神状態は想像に難しくありません。



映画『和ちゃんとオレ』予告編


このドキュメンタリーに登場する野田さんは、母親が認知症を発症して以来、10年間自宅介護をしてきたそうです。
生活は介護一色で仕事をする暇は無く、収入は母親の年金頼りだったのですが、「親を介護する息子たちを取り上げる本」の出版を目指して仕事を再開させた野田さんでしたが、取材先に一本の電話が掛かってきて…。

自分が同じ立場になるなどと考えたくも無い、目を背けていたいことですが、そういうわけにもいきません。
そしてこの問題をテレビの番組として放送しても視聴率など見込めないと思うのですが、NHKならともかく民放のテレビ局が手掛けて放送したということにとても意義があると思います。

どうしても視聴率至上主義となってしまう民放局では異端といっても過言ではない「息子介護」問題のドキュメンタリー番組を製作し、野田さんの介護生活に終止符がうたれたことで、放送された日本の番組を再編集、未公開映像を追加して映画化するなんて、他の民放局とは一線を引く独自のアイデンティーティーを持つこの局だからできたことなのでしょうか。

“介護する人”を支える仕組みがあまりにも不十分な現在の日本の姿が見えてくるこの映画、娯楽作品のように全国一斉ロードショーというわけにはいかず、東京から順次各地方で単館上映されており、この度岡山県での上映も決定しました。


岡山県での上映はシネマ・クレールにて4月19日(土)から25日(金)となっています。
19日には野田さんの舞台挨拶もあるそうなので、行ける人は是非。
シネマ・クレール 上映スケジュール

「和ちゃんとオレ」公式サイト

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作品紹介 | コメント:(0) | トラックバック:(0) | 2014/04/16 23:19
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